被災地で活躍する災害支援ナース

災害支援ナースとは、看護職能団体の一員として被災者に対し適切な医療と看護を提供し、健康レベルを維持するサポートを行う看護職である。
また、被災地では看護職の方自身も被災者となり、不眠不休の活動を求められることも多いため、そういった方の交代要員になることで看護職の心身の負担を軽減する役割もある。
被災地での活動期間は災害発生後3日以降から1ヶ月間が目安とされ、被災した医療機関や社会福祉施設、避難所が優先的な活動場所だ。
個々の派遣期間については基本的に移動時間も含め3泊4日となっている。
これまで新潟中越地震や東日本大震災、熊本地震などで災害支援ナースが派遣されてきた。
具体的な活動には、医療機関を訪れる被災者の状態を把握し治療の優先度を決めるトリアージや、慢性疾患を持つ人が薬の服用の中断やストレスによって症状が悪化してしまうことを考え、健康チェックやケアを行うことなどがある。
また日常的にも、食中毒や感染症予防、エコノミークラス症候群の予防などさまざまな活動を行う。
実際に災害支援ナースになるためには、実務経験5年以上、都道府県看護協会の会員であること、所属先施設の所属長による登録の承諾を得ていることが必要。
その上で、災害支援ナース養成のための研修を12時間(2日間)受けて、看護職として勤務している医療機関の所在地にある都道府県看護協会に登録することで、災害支援ナースになることができる。
災害支援ナースとして続けていくには、各都道府県協会が定める期間に応じ定期的な登録の更新が必要になる。